Essay エッセイ
サントリーニ島・ガバラス ワイナリー訪問
2023年8月。
ノスティミアでは、サントリーニ島のワイナリーを2軒取り扱っていますが、そのうちの一つがガバラス ワイナリーです。
ガバラス ワイナリーは、サントリーニ島メガロホリに位置する家族経営のワイナリーで、島に古くから残る「カナヴァ(canava)」スタイルの建物を有しています。
洞窟のような空間の中には、かつてブドウの果汁を溜めていた穴や、収穫したブドウを入れていた籠などが残されており、当時のワイン造りの様子を感じることができます。
現在はこの空間でワインの生産は行われていませんが、カナヴァ様式のワイナリーは島でも2〜3軒ほどしか残っておらず、歴史的価値のある建造物として保存されています。
もともとは家族のために始めたワイン造りでしたが、次第に規模を拡大し、樽のまま海外へ輸出。1998年からボトリングを開始しました。
現在は、アシリティコを中心に、サントリーニ島固有の品種にも着目しながらワインを生産しています。
この日は、5代目のヴァゲリスさんがワインの説明をしてくださいました。
アシリティコ100%で造られる、ワイナリーを代表する一本です。
サントリーニ島をモチーフにしたブルーのボトルが印象的で、香りは柑橘類と火打石のようなミネラル。
味わいは高い酸味に支えられながらも、わずかにクリーミーな舌触りがあり、凝縮感のある果実味を楽しむことができます。
「ニクテリ」とはギリシャ語で「夜」を意味します。
かつて島全体でワイン造りが盛んだった時代、住民総出で日中に収穫を行い、夜になってからブドウを圧搾していたことに由来しています。
現在では「ニクテリ」と名乗るために最低3か月の樽熟成が必要とされており、ガバラスでは6〜8か月間樽で熟成されています。
そのため酸の角が取れ、よりなめらかな口当たりに。 温度が上がるにつれて塩味が強く感じられる点も印象的でした。
こちらはまだノスティミアでは取り扱っていないワインで、優れた年にのみ生産される特別なキュヴェです。(2026年3月現在取り扱いあり)
複数ある畑の中でも特に優れた4区画のブドウのみを使用し、それぞれ別々に醸造。 その中から品質の高いワインだけをブレンドしています。 約1.5〜2年間、澱とともに熟成されています。
サントリーニ島のアシリティコはアルコール度数が高くなる傾向がありますが、このワインは14%という数値を感じさせないほどアルコールが美しく溶け込んでおり、とてもエレガントな印象でした。
「神話の蜜」とも呼ばれる、600年以上の歴史を持つサントリーニ島の甘口ワインです。
10〜15日間天日干しされたブドウを使用し、5kgのブドウからわずか1本しか造ることができません。
その後、約4か月かけてゆっくりと発酵し、さらに最低6年間樽で熟成されます。 使用されているのは80年物のロシア産の樽。 かつてロシアとの貿易が盛んだった歴史を今に伝えています。
レーズンやナッツ、キャラメル、ドライフィッグ、ナツメグといった複雑なアロマに、バターのような滑らかな舌触り。 後味にはカフェオレのようなニュアンスも感じられ、とても奥行きのある味わいでした。
サントリーニという土地と、その中で受け継がれてきたワイン造りの歴史。
それらが重なり合って、唯一無二の味わいが生まれているのだと感じます。
















火山の島が生むワイン|サントリーニとアシリティコ